福岡高等裁判所那覇支部 事件番号不詳 決定
被告人 屋良朝信 職権
主文
被告人に対する一九七一年三月一〇日付勾留状に基づく勾留のうち、沖縄の児童福祉法違反の事実による部分を取消す。
理由
本件記録によれば、被告人は、沖縄の刑法による未成年者誘拐および沖縄の児童福祉法違反の各事実により、一九七一年三月一〇日付旧那覇地方裁判所コザ支部裁判官発付の勾留状に基づき勾留され、同月一九日勾留のまま右二個の事実について同裁判所に公訴の提起がなされたこと、同月二四日右両事実について保釈保証金八〇〇ドルで保釈許可の裁判があり、即日被告人は釈放されたこと、右両事実について審理の結果、昭和四八年一一月二一日那覇地方裁判所コザ支部で両事実について被告人を沖縄の刑罰法令による懲役一年に処する旨の有罪判決が言い渡されたため、即日被告人に対する右保釈が失効し、被告人は収監されたこと、被告人は同日控訴の申立をするとともに、再保釈の請求をし、同月二四日保釈保証金五〇万円で保釈許可の決定があり、同月二六日被告人は釈放されたこと、昭和四九年四月一五日当裁判所は、右両事実に関する原判決を破棄し、沖縄の刑法による未成年者誘拐罪につき被告人を沖縄の刑法による懲役八月に処し、沖縄の児童福祉法違反被告事件を那覇家庭裁判所に移送する旨の判決を言渡したことなどが明らかである。したがつて、以上の経過等を考慮すれば、被告人に対する勾留のうち、沖縄の児童福祉法違反の事実による部分については、なおその勾留を継続することの相当性ないし必要性は認め難いものというべきである。よつて、刑訴法八七条一項により、主文のとおり決定する。